みらいっこ生徒を受け持ち始めてから、1年が経ちました(※)。はじめは、正直なにをいっても「わからん」「わからん」と言われ続け、本当に簡単な会話しかできませんでした。

やる気がないわけではないけれど、日本語の勉強というものにとても苦痛を感じているのではないかと感じました。

彼が明らかに変化したのは、授業の１つとして行った 「手紙を書こう」というプログラムでした。

手紙の書き方を学び、実際に手紙を書いてみる。そして文通をやってみました。

私と何度かやり取りをしました。実際届いた手紙を家族など第三者に見せて、喜んでもらう。みんなが褒めていることを毎度毎度伝えました。

1番は、やはり学校の先生に送り 先生から褒めてもらったことでしょう。

よほど嬉しかったのか彼の意識が明らかに変わりました。

そこから、私の意識も変わりました。今までは学校の授業についていかせないといけないという考えでしたが、それよりもまず生活で日本語を使えるようになる成功体験を積んで、日本語学習に対する向上心をもってもらうことを目標にしました。

それからというもの、レッスンの45分は彼にとっても短く感じることが多くなったようで、以前のように終了時刻になったらすぐに「バイバイ」ではなく、「えっもうおわり！はやかった」ということが増えていきました。


今小学5年生 長い目でみると、不安なことが多いです。彼のかなえたい夢があるからこそ、余計に… 彼の将来を考えると教師としてもどかしいところがあります。

でも、私は今のやり方を変えずに進めていきます。これから先のことを見すぎてしまって、今の彼と真剣に向き合えず、彼が日本語を嫌いになってしまうとそれこそ大問題ですから…。

生活をするために必要な日本語。小学生の彼にとってはとても大変なことだと思います。
外国に住むということは、自国では苦労しなくてもいい部分でも問題が起こります。

しかし、その環境が彼にとってマイナスの状況ではなく、人生においてもめったにない経験です。これをプラスの状況として捉えてもらえるために、今自分にできることは何かを考えていけたらと思っています。

少しずつの成長でもいい。時間をかけてゆっくりでもいい。
今の彼と向き合って、彼のペースで「日本語って楽しい。もっと日本語ができるようになりたい。」と自ら思ってもらえる時間を授業で作り上げていきたいと思っています。

それにはやはり環境が必要だと思います。その環境作りは、多文化共生を掲げている日本社会が担う重要な役目だと私は思います。光JSみらいがその環境づくりに大きく貢献できるよう、私も光JSみらいの一員として頑張ります。

※光JSみらいを設立前は、㈱光JSにてみらいっこ制度を行っていました。

担当講師のえみです。
子どもの日本語を担当しています。

「子ども」と言っても年齢やこれまでの学習スタイル、認知発達や言語発達などを考慮すると多岐にわたります。

日本の学校では、多国籍の学校が増えていることからも分かるように外国につながる子どもたちの状況は日々変化しています。

そして、そんな１つ以上の言語・文化の中で育つ子どもの中にはダブルリミテッドと呼ばれる両方の言語・文化理解ができにくいことがしばしば起こります。

しかし、彼らは、学校・家庭・社会に環境が整えば、言語も文化も、また世界への理解を示すような無限の可能性を秘めています。

「私とあなたは違うのね。でも、共にいましょうよ。」とでもいうように、キャンバスを何色かだけで染めることなく、いろんな色でいっぱいに埋めてくれるような、そして、キャンバスが足りなかったら広げてくれるような。

まだまだ外国にツールのある子どもは「支援の対象」とされることが多いですが、彼らと同じクラスだからこそ知ることができ」たこと、広がった世界などがあるはずです。

ともに学ぶ、ともに成長する、そんな空間はもう目の前に広がっているような気がしています。

私は、両方の言葉を話し、「すべてが大好きだ」と自信いっぱいに笑うキラキラとした子どもと出会うことが多々あります。
今はまだ言葉に自信がない「みらい」に来てくれた子どもたちへ、ステキな未来へ向かって、できることを精一杯していきたいです。

一人ひとりへのレッスンのカスタマイズには時間も労力も必要ですが、子どもの成長には変え難く、幸せを運んでくれるものでもあります。
日本語や日本、そして、彼らに繋がりのある国を大切にしながらともに成長できるようなレッスンを目指しております。

スタッフのちえです。
アメリカで子育てし、子どもが複数言語で育つ苦労、豊かさを体験しました。

言語は、ドラえもんのどこでもドアのようなものだと思います。

思考の道具であり、コミュニケーションの手段であり、言語を話せることが新しい出会いを引き寄せます。

日本で育つ外国ルーツの子どもは、日本語が習得できないままだと、どこでもドアは閉じられたまま、新しい世界が開かれることがありません。

しかし、外国ルーツの子どもたちが日本語を習得することで、子ども自身の可能性が開かれると同時に、複数文化を理解する子どもたちの存在が、私たちの日本社会を開いて、より豊かな世界にしてくれると信じています。

どんなルーツをもつ子どもも、1人ひとりの存在が宝物。

光JSみらいの活動を通して、子どもの未来に関われることをとても嬉しく思っています。

ぜひ、一緒に応援していきませんか。

スタッフのルシアナです。

日本語をブラジルの現地で１２年教え、様々な目的や夢を持った生徒を見る中で日本語の可能性にいつも心躍らせています。

昨今の情報社会で言語がキーアイテムになってきている中で、自分のルーツや母国語と違う国に在住している人物というのはその存在だけで可能性が無限大だと感じています。

別個の言語ではなく特別な二つのポテンシャルを持っている彼らを‘難しい日本語の壁‘ではなく、友達とつながるため、よりよい生活のため、将来の展望のための自分の強みとして一緒に学んでいけたらいいなと思っています。

最近のパンデミック渦中でのリモート授業の普及には可能性と希望をとても感じています。

新しい手法にも面と向かっての教授にも変わらない真摯な姿勢で取り組み日本語というツールを使って子供たち自らで明るい未来を目指せるように寄り添ってサポートを共にしていきたいです。

スタッフのちからです。

日本とベトナム、ネパールで子育てしていましたが、現在は、マレーシアで現在進行形で奮闘中です。

外国での子育ての楽しさと同時に難しさも感じています。

特に、言語の習得は、それぞれの子どもたちが、それぞれの道のりを通っているのを実感しています。

2022年の夏から光JSみらいに入れていただいた新人です。

サイト制作やメンテナンスなど、技術的な部分も担当していますので、お気づきの点などあればお問い合わせください。